INFORMATION

DXプロジェクトは進んでいますか?

COLUMN2023.07.18

あなたの会社のDXプロジェクトは進んでいますか?
ここで、社内改革を伴うDXプロジェクトを進めるうえで失敗に至らないために、WEB記事「製造業のDXプロジェクトはなぜ失敗してしまうのか?」1)2)から「改革プロジェクト、7つの失敗原因」1)2)として紹介します。これからDX推進に着手する方にも参考にして頂けたらと思います。

原因1:改革コンセプトがない
原因2:本質課題にアプローチしていない
原因3:結果指標を意識していない
原因4:体制や役割責任を定義していない
原因5:経営幹部がプロジェクトに関心がない
原因6:事務的な事務局
原因7:プロジェクト活動を発信していない

  1. 改革コンセプトがない
    何のためにDXを推進するのか、それぞれの部門担当者の業務がどのように変化し、会社として業務効率改善だけではなく新たな価値がどのようにして産むのか、経営層をはじめとし関係する部署のメンバー(ステークフォルダー)が理解できる言葉でコンセプトを表現する必要があります。これができないと改革コンセプトを共有できずプロジェクトを推進するうえでの社内の協力関係を築くことも難しくなると思います。
  2. 本質課題にアプローチしていない
    現行の業務を進める上でいろいろな問題・課題があると思いますが、例えば、設計から製造までのスケジュールがタイトで結果的に納期遅延になる場合に、スケジュール管理の強化などの対処療法だけでなく、製品設計のモジュール化を進めることにより、今までの設計・製造期間を短縮化し、納期遅延から納期短縮にまで改革するような本質的課題にアプローチすることなどを考える必要があります。
  3. 結果指標を意識していない
    DXプロジェクトを企画推進するタイミングで、どのような目標を達成するか明確化されますが、往々にしてプロジェクト実行中、実行完了後にはDX推進するためのシステム導入が達成されれば、それでよしとする意識に陥りがちです。システム導入後もDXプロジェクトの結果指標はどこまで達成されているか、継続的に確認し経営層にも報告していく必要があるでしょう。
  4. 体制や役割責任を定義していない
    DXプロジェクトを推進メンバーや情報システム部門だけに任せて、利用部門の参画が弱いケースが少なからず見られます。製造業におけるPLMシステム導入だと、今までは設計・技術部門が主体でPDM(製品設計管理システム)としてのみ導入されてきましたが、生産技術・生産管理・製造・品質管理など業務フロー見直しを含め、全社横断的に役割責任を定義する必要があります。
  5. 経営幹部がプロジェクトに関心がない
    DXプロジェクトを立ち上げて経営幹部がプロジェクトのオーナーになるケースは多いですが、プロジェクト実行フェーズでもプロジェクトマネージャの後ろ盾として全社的な視点でバックアップされていくことが必要です。
  6. 事務的な事務局
    プロジェクトの事務局は、日々のプロジェクト運営の日程調整、情報伝達などが仕事ですが、プロジェクトの進捗が停滞することがないように課題整理・意見調整などをファシリテートする役割が求められます。そのために、コミュニケーションスキルのある人材を事務局に配置することも必要と考えます。
  7. プロジェクト活動を発信していない
    プロジェクトの進行に応じ、その結果報告をプロジェクト外のメンバー(業務利用で関係するメンバー)にも発信していく必要があります。企業の成長に繋げるためには、利用部門を含めプロジェクトの目標に向け全社の継続的な活動が必要となります。

DXプロジェクトを推進するうえで、以上の「改革プロジェクト、7つの失敗原因」をチェックリストとして参考にして頂ければと思います。

<参考文献>
DX時代のPLM/BOM導入(12):製造業のDXプロジェクトはなぜ失敗してしまうのか?(前編)
[三河進/株式会社グローバルものづくり研究所, MONOist] (2023年5月25日)
DX時代のPLM/BOM導入(13):製造業のDXプロジェクトはなぜ失敗してしまうのか?(後編)
[三河進/株式会社グローバルものづくり研究所, MONOist] (2023年6月13日)