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Society 5.0とモノづくりについて

COLUMN2022.12.21

前回は、ドイツで提唱されたインダストリー4.0とモノづくりについてお話しましたが、今回は、日本が提唱しているSociety 5.0とモノづくりについて触れたいと思います。

これまでの社会の歴史を 狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)とし、それに続く我が国が目指すべき未来社会の姿として第5期(2016年度から2020年度)科学技術基本計画において次の様に提唱/定義されています。

「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、
経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」 

図1 Society 5.0のイメージ図 (引用元:Society 5.0|内閣府)

これまでの情報社会(Society4.0)では、クラウド技術をベースに情報を共有する世界ですが、現実には知識や情報の共有は不十分なものでした。Society5.0ではIoTをベースに物理世界のセンサーから大量の情報がサイバー空間(クラウド)に取り込み蓄積され、AIが解析し現実世界の人間にフィードバックされ、新たな価値が産業や社会にもたされるとされています。

図2 これまでの情報社会からSociety 5.0へ (引用元:Society 5.0|内閣府)

このSociety5.0が、モノづくりの世界ではどのように現れるのでしょうか?

内閣府HPの説明では、『顧客や消費者の需要、各サプライヤーの在庫情報、配送情報といった様々な情報を含むビッグデータをAIで解析することにより、「これまで取引のない他分野や系列のサプライヤーを連携させ、ニーズに対応したフレキシブルな生産計画・在庫管理すること」「AIやロボット活用、工場間連携による生産の効率化、省人化、熟練技術の継承(匠の技のモデル化)、多品種少量生産」』 としています。
3 Society 5.0 新たな価値の事例(ものづくり)(引用元:Society 5.0|内閣府)

実はこのSociety 5.0とはDX推進のモノづくりが目指す社会をイメージしいるのではと思っています。では、この情報社会を辿り、Society 5.0に向かうにあたり、製造業の各企業は何を最低準備しておく必要があるのでしょうか?

 それはモノづくりの根幹である製品設計・製造におけるエンジニアリングチェーンサプライチェーンで、製品データの核となるBOMを首尾一貫して管理できているかにかかっていると思います。あらためて、社内のBOM管理が設計から製造・販売までどこまで一元管理できているかDX推進の前段階で把握・検証されては如何でしょうか?